｢北朝鮮は脅迫や挑発を止めよ｣、クリントン米国務長官

【5月26日 AFP】韓国を訪問したヒラリー・クリントン（Hillary Clinton）米国務長官は26日、北朝鮮に対し｢挑発と、脅迫の政策｣を止めるよう警告し、韓国海軍の哨戒艦の沈没について国際社会は｢しかるべき対応をとらなければならない｣と述べた。

　朝鮮半島の緊張が高まるなかソウル（Seoul）を訪れたクリントン長官は柳明桓（ユ・ミョンファン、Yu Myung-hwan）外交通商相とソウル（Seoul）で行った共同会見で、数十年間同盟関係にある韓国の安全保障に関する米国の支援をかたく約束して、どうすれば北朝鮮に責任を果たさせることができるか米国も検討中だと述べた。

　この会見に先立って行われた李明博（イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak）大統領との会談では、哨戒艦沈没について北朝鮮に対価を払わせると李大統領が明言した24日の発表をクリントン長官は賞賛し、｢強力かつ慎重な対応が必要｣｢好戦的な態度や挑発に目をつぶるわけにはいかない。この難しいときにもわが国は常に韓国とともにある｣と呼び掛けた。

　哨戒艦沈没問題について、クリントン長官は｢国際社会には対応する責任と義務がある｣と述べ、国連安全保障理事会に提起する方針を支持した。また在韓米軍2万8500人を抱える米国として、起こりうる攻撃を阻止する防衛態勢の強化も検討すると語った。

　同長官はソウル入りする前に2日間の日程で立ち寄った北京で、中国政府に対し、北朝鮮に厳しい姿勢で臨むよう説得したとみられる。

　多くの国が北朝鮮批判を強める中、中国は全関係国に自制を呼び掛けるにとどまっている。安保理が北朝鮮に対する新たな制裁を決めるには、常任理事国の中国が賛成、あるいは棄権する必要がある。